エチュード

「展覧会の絵」ってどんな絵?

[2001/6/3 第39回定期演奏会]

「展覧会の絵」という曲は、もともとはピアノのために書かれた曲なのですが、M.ラヴェルの編曲によってオーケストラで演奏されるようになり、 私たちアマチュアのオーケストラにとっても近い存在の曲になりました。 最近ではいろいろな人の編曲によって、吹奏楽でも演奏されることも多いんです。

さて、この「展覧会の絵」は、その名の通り「絵画」を題材にした音楽で、それぞれの曲のタイトルと曲を聴けばなんとなく絵のイメージが沸いてきませんか。 タイトルに「古城」「ビードロ(牛車)」とか「殻をつけたひな鳥のバレエ」ですものね。 プログラムにも「親友ヴィクトル・アレキサンダー・ハルトマン(建築家、画家、デザイナー)が、 35歳という若さでこの世を去り、その翌年、彼を記念する遺作展がペテルブルグの美術院で開かれました。

ムソルグスキーはこの展覧会を訪れて深く感動し、直ちにその印象に基づく作品の作曲を始めた」なんて書いてますが、 「本当はどんな絵を元にしたか知ってる?」って聞かれたら「そんなの見たこと無いわ」という人が圧倒的に多いのではないでしょうか?

今回は、そんな疑問にばっちりお答えしちゃいます。

プログラムの方にもそれぞれの曲のタイトルが書いていますが、ここではその中の何曲かについて紐解いて行きますね。 といっても実際の絵の写真を載せるわけにはいかないので、奈良交響楽団のデザイナー、オーボエパートのたかたかさんが描いたイラスト (彼曰く、鼻息荒く「忠実に再現したぞ」だそうです)とデザイナー直々の解説でご紹介していきます。 ちなみに彼はプロのデザイナーで、プログラムの表紙もデザインしました。芸達者の団員は重宝するんですよね、ホント!

プロムナード

これは「絵」ではありません。絵と絵の間を歩いて行く人の様子を音楽に表しています。 「展覧会の絵」の中にはたくさんのプロムナードが出てきます。 でもそれぞれ少しずつ違った音楽で、人間の心の移り変わりを表しています。

モチーフとなったといわれているこの絵は、オペラ「ルスランとリュドミーラ」の舞台装置のために描かれたものです。 曲から連想するわびしさよりも、にぎやかな印象を受けます。ちょっとインド風の装飾が意外です。

卵の殻をつけたひなのバレエ

バレエ「トリルビー」のための衣装のスケッチです。 ちっともかわいくないのは僕の絵のせいばかりではありません。 絵とは関係ないですがこの曲はゲーム「ブラボーミュージック」の曲目選択の画面でも使われています。

ゴールデンベルクとシュミイレ

左上がムソルグスキーがモチーフとした金持ち「ゴールデンベルク」、 そして右下が貧乏人「シュミイレ」です。ですが、うーんちがう! 特に「シュミイレ」。あのトランペットの旋律から想像されるのは少なくとも僕は左下のようなオヤジ。 ちなみに曲から想像する「金持ち」は左上のように崇高な感じの人物よりも、 北浜で仕手戦を演じそうな右上のオッさんです。みなさんはどうですか?

バーバヤーガの小屋

一見鳩時計のようですが、これはロシアの伝説に登場する魔女バーバヤーガの住む小屋です。 めんどりの足の上に建っているところがそれらしいです。ただこの絵からあの曲ができたといわれてもとまどうばかりです。

カタコンベ

この絵は曲の解説通りです。僕も依存ありません。