エチュード

マリンバについてもっと知ってみよう
(これであなたもマリンバ博士!)

[2001/6/3 第39回定期演奏会]

講師は、マリンバ協奏曲で共演していただいた打楽器奏者の前川典子さんです。 ソリスト大解剖 「 前川典子さんに聞く 」も合わせてお楽しみください。

マリンバの由来は?

もともとの起こりはアフリカのようです。アフリカのバントゥー語族の方言では「リンバ」は木琴の1鍵盤を表し、 「マ-リンバ」で多くの鍵盤からできている楽器という意味になります。 アフリカで使われていたマリンバの中から主にひょうたんの共鳴体の付いたものが ラテン・アメリカに伝えられ改良されてきました。 現代のオーケストラ用マリンバの製造は1910年にアメリカ合衆国で始まっています。

マリンバと他の鍵盤打楽器はどんな違いがあるの?

マリンバの他にシロフォン、ビブラフォン、グロッケンシュピールなどがあります。 マリンバとシロフォンは共に木琴ですが違いといえばまず大きさで、 大きいマリンバはその分低音がカバーできます。また音色もマリンバは柔らかいのに対し、 シロフォンはカン!という硬質な音を出すのが特徴です。 ビブラフォンとグロッケンシュピールは共に鉄琴です。こちらにもビブラフォンは柔らかい音、 グロッケンは硬質な音という特徴があり、ビブラフォンは鍵盤と共鳴管の間にある羽根がぐるぐる回って音にゆれを作ります。

マリンバの音域は?

4オクターブの楽器から5オクターブ半の楽器まであります。 今日使っているのは5オクターブ半の楽器で、下はヘ音記号下第2線のC、 上はその5オクターブ半上まで出ます(右図)。 コントラバスマリンバという、もっと低い音の出る楽器もありますが、 あまりに低い音だと人間の耳では聞き取れません。

4本のマレットで演奏されているようですが、どうやって4本使いこなしているのですか?

小指で支えて人差し指と親指で幅を調節しながら演奏します(右図)。 使っているうちに指にタコができたりかたくなったりすることも。 私(前川さん)の場合、開く幅は低音だと1オクターブが精一杯。 高音だと鍵盤の幅が狭くなるので1オクターブと3度くらいです。 ちなみに4本のばちで演奏する技法は第2次世界大戦の後に普及したようです。

ドからソまではこの幅、というように幅は感覚でパッとつかめるのですか?

ピアノで和音を押さえるのと同じ感覚。慣れですね。しかし、和音の真中に黒鍵が来るときが一番難しいです。 コッペルの2楽章にそういう部分が出てきます。